上橋 菜穂子 「獣の奏者」
上橋菜穂子さんの虜になったのは いつからだっただろう。
もう一つの世界が完成されているリアリティがそこにはあるのだ。
本から目を上げると 現実にうまく溶け込めず かるい目眩を覚える。
ストーリーの展開も面白く 目を離す事ができない。
描写も的確で 挿絵はないが ありありと情景が目に浮かび 映画を見ている感覚におちる。
食べ物のシーンはこれまた豊かで 匂いがしてきそうな表現で描かれている。(「バルサの食卓」というRecipe本が出るくらい!)
何でも そうだが 作品には作者が統べて反映される。
生きてきた歴史、思想、好み…
いつも、
息づき、動き、住んでいる、いのちをもったモノを生み出す力を 感じ、それにふれられた事に感謝して本を閉じる。